綾野剛が挑んだ“冤罪教師”役──迫真の演技と実在人物の重なり

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映画

「正しさ」が人を追い詰めるとき

正義は、いつも味方してくれるものなのか。

2025年6月公開の映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』は、そんな根源的な問いを私たちに突きつけてくる。
主演・綾野剛が演じるのは、ある日突然、殺人犯として社会的に断罪されてしまった中学教師。マスコミの報道、保護者たちの「正義感」、学校内の同調圧力——そのすべてが“冤罪”という名の暴力に変わり、ひとりの人間を崩壊させていく。

本作は、2003年に福岡県で実際に起きた事件をベースにしており、単なるフィクションではない。
教育現場の崩壊、モンスターペアレントの台頭、報道の暴走——社会のひずみが浮き彫りになるなかで、「もし自分がこの立場だったら」と思わずにはいられない。

主演の綾野剛は、激しさではなく「静けさ」で語る。

泣き叫ぶでもなく、怒鳴り散らすでもなく、ただ黙って、耐える。その演技はあまりにもリアルで、観客の胸にズシリと残る“重さ”を持っている。

話題の社会派映画として注目されている本作は、公開後、U-NEXTでの配信も予定されています。

劇場に行けない方も、家でじっくり鑑賞することができるのはありがたいところ。見逃した方は、U-NEXTでの配信タイミングをぜひチェックしておきたい作品です。

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🎬 映画概要

  • 公開日2025年6月27日(金)

  • 監督:三池崇史

  • 脚本:森ハヤシ

  • 原作福田ますみ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』

  • 上映時間:129分

  • 映倫区分:PG12

  • 配給:東映

  • 主題歌キタニタツヤ「なくしもの」

 

 

あらすじ

2003年、小学校教諭の薮下誠一(綾野剛)は、教え子の氷室拓翔への体罰を保護者の氷室律子(柴咲コウ)から告発されます。その内容は「死に方教えてやろうか」といった恫喝を含むもので、教育委員会は日本で初めて「教師によるいじめ」と認定。週刊誌記者・鳴海三千彦(亀梨和也)が実名報道を行い、薮下は「殺人教師」として世間の非難を浴びます。550人もの弁護団を擁する律子側との民事訴訟が始まる中、薮下は「すべて事実無根のでっちあげ」と全面否認し、法廷での闘いが繰り広げられます。

主なキャスト

  • 薮下誠一:綾野剛

  • 氷室律子:柴咲コウ

  • 鳴海三千彦:亀梨和也

  • 都築敏明(教頭):大倉孝二

  • 前村義文(精神科教授):小澤征悦

  • 堂前(編集長):髙嶋政宏

  • 氷室拓馬(拓翔の父):迫田孝也

  • 山添夏美:安藤玉恵

  • 箱崎祥子:美村里江

  • 藤野公代:峯村リエ

  • 戸川:東野絢香

  • 橋本:飯田基祐

  • 氷室拓翔:三浦綺羅

  • 薮下希美:木村文乃

  • 段田重春(校長):光石研

  • 大和紀夫(弁護団団長):北村一輝

  • 湯上谷年雄:小林薫

 

予告編

映画の予告編は以下のリンクからご覧いただけます。

 

原作情報

  • 書籍名『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』

  • 著者福田ますみ

  • 出版社:新潮社

  • 発売日2010年1月

  • 価格737円(税込)

  • ISBNコード9784101311814

感情を削ぎ落とした“内なる演技”

綾野剛が本作で挑んだのは、“怒りを叫ぶ”のではなく“怒りを抑える”という演技。

どんなに理不尽な状況でも、感情を爆発させることなく、淡々と耐え続けるその姿は、見る者の心を逆に締め付ける。「どうして怒らないんだ?」「もっと声を上げてくれ」と観客自身がもどかしさを抱えてしまうほど、静かで、強い演技だった。

目の動き、指先の震え、呼吸の間。
そのどれもがセリフより雄弁で、冤罪という“言葉にできない苦しみ”を表現していた。

実在の事件に宿る“重み”と葛藤

『でっちあげ』のモデルとなったのは、2003年、福岡で起きた実在の事件。
ある中学教師が、生徒の死をめぐって「殺した」「暴力をふるった」などと報道され、職も名誉もすべてを奪われた。

しかし後に、事実は歪められていたことが判明する。

この事件を取り上げた福田ますみ氏のノンフィクション書籍をベースに、映画は構成されている。演出も派手な演技ではなく、ドキュメンタリーに近い静かなトーンで進行。派手なカタルシスではなく、じわじわと胸に沈んでいく“後味”が残る作品だ。

綾野剛の“新たな代表作”になるか?

これまでにもシリアスな役を多く演じてきた綾野剛だが、本作は明らかに毛色が異なる。

「目立たない」「感情を爆発させない」からこそ、演技力が試される。
そしてその中で、彼は見事に“実在したひとりの人間”を体現してみせた。

演技というより「再現」に近いとさえ感じる圧倒的なリアリズム。
“役に入り込む”というより、“役そのものになる”ことに成功した数少ない作品のひとつといえるだろう。

まとめ:この映画が突きつける「静かな怒り」

冤罪。報道被害。集団の同調圧力。
私たちが暮らす日常のすぐ隣で、簡単に起こりうる“でっちあげ”。

この作品は、決して大げさに糾弾するわけではない。
しかしその分、リアルで、重く、静かに深く刺さってくる。

綾野剛の演技を通して、その“静かな怒り”を感じてほしい。
もし劇場で見逃してしまった方も、U-NEXTで配信が始まった際にはぜひ見てみてほしい。きっと、誰かに語りたくなる作品になるはずだ。

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