「会社員としてこのまま働いてていいのか?」「好きなことで稼いでいきたい!」という人の増加とともに、フリーランスとして働いている人が増加傾向にあります。
ランサーズの調査によれば、2020年時点でのフリーランスの人口が1,000万人超えており、これは日本の労働人口の約15%を占めています。
そこで今回は、フリーランスへの転向を考えている人へ向けて、フリーランスと会社員の違いやメリット・デメリット、独立前にやっておくべきことを解説していきます。
そもそもフリーランスと会社員のどちら向き?
フリーランスにいきなりなる前に、フリーランスと会社員のどちらに向いているのか「フリーランスor会社員 適正診断テスト」で確認してください。
以下の25項目でどれくらい当てはまるのか確認してみましょう。
▼上の画像が見づらい方はこちら。内容は同じです▼
- 自分が負けても、争いのないほうを選ぶ
- 人付き合いが苦手だ
- 自分の意見に固執してしまうタイプだ
- 他人の評価を気にするほうだ
- 残業をしがちだ
- 嫌なことや失敗をクヨクヨ悩むほうだ
- お金にはあまりこだわりがない
- 失敗したときのリスクを考え、挑戦をしないことが多い
- 思い立ったらすぐ行動できる人が羨ましい
- 上司に言われたことをそのまま実行する
- まわりの人と考えつくことが似ている
- ついつい陰口を言ってしまう
- 会社員として働くのも悪くないと思っている
- ひとつのことにのめり込むことが少ない
- 安定志向である
- 読書はあまり好きではない
- 健康にはあまり関心がない
- これといった夢は持っていない
- 変わっている人が嫌いだ
- 人を喜ばせることにはあまり関心がない
- 公共料金をや家賃を滞納するなんてありえない
- 未来より、今の幸せのほうが大事だ
- 無駄なことにお金を使ってしまうタイプだ
- 学生時代にリーダー的な役割を任されたことがある
- 貯金するのは苦手なほうだ
この中からどれくらいのチェックがついたかで、チェック項目で少なければ少ないほど、会社員ではなくフリーランスの適性があります。
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- 【1〜5個】
フリーランスにとても向いています! 今すぐ独立しても問題なし!? - 【6個〜12個】
フリーランスの素質は確かです。周りのフリーランスに話を聞いて、独立に向けて動き出しても良いでしょう - 【13個〜17個】
フリーランスの素質はあります。もし独立したいのなら、入念な準備を行いましょう - 【18個以上】
フリーランスには向いていないかも……? 会社員として働いた方が活躍できる可能性も!
フリーランスと会社員のどちらで働きたいと思うかはアナタ次第となりますが、自分の適正を活かすことができる働き方で稼ぐことができれば最高と言えるでしょう。
フリーランスは自由度が高い、会社員は安定性が高い
フリーランスや会社員どちらにしてもメリット・デメリットがあり、その中で最大の違いは「自由度」と「安定性」となります。
フリーランスは何でも自由に決めることができますが、福利厚生や一部の社会保障がなかったり、受け取る公的年金の額が少ないということがあります。
会社員においては、毎月定額の固定給があり、受けられる保障も多いのですが、場所や時間・仕事内容などの制約が多いかもしれません。
フリーランスと会社員び違い要点は以下の通りとなります。
フリーランス | 会社員 | |
契約方法 | 業務委託契約(規定を問わない) | 雇用契約(会社の規定に従う) |
収入 | 売上が反映される
固定収入がない |
売上が反映されない
固定収入がある |
福利厚生 | なし | あり(有給休暇、健康診断など) |
医療保険 | 被扶養者に対し保険料が発生する | 会社が半分負担。被扶養者に対し保険料が発生しない |
年金保険 | 受け取る公的年金が会社員より約10万円少ない | 会社が半分負担。公的年金を多く受け取れる |
雇用保険 | 加入できない | 失業保険を受給できる |
労災保険 | 加入できない | 無負担で加入できる |
社会的信用度 | 低 | 高 |
仕事の進め方 | すべての業務をひとりで行う | 決められた業務をチームで行う |
働く場所・時間 | 自由に決められる | 決められた場所・時間がある |
仕事内容 | 自由に決められる | 決められた仕事がある |
人間関係 | 好きな人と働けるが、孤独を感じやすい | 決められた人と働く |
フリーランスと会社員の違いとは?
フリーランスと会社員の違いについて解説していきます。
契約方法の違い
会社員は企業と雇用契約を結んでいるということが大きな特徴となります。
「使用者」と「労働者」という主従の関係にあり、仕事内容や労働時間、休日の取得方法などは会社の規定に沿わないといけません。
フリーランスについては、企業と雇用契約を結ばずに、プロジェクトごとに「業務委託契約」を結ぶのが普通とされています。
- 請負契約:
具体的な仕事の成果物に対して報酬が支払われる契約形態 - 委託契約:
委託された仕事を完遂することで報酬が支払われる契約形態
業務委託契約とは独立した事業者間との契約となるので、労働時間や仕事内容を企業に縛られることもなく、自由に決めることができます。
収入の違い
会社員は、月給制や年俸制のような給与制度が一般的ですが、いくら売上をあげたとしても、収入に直結するということはありません。
ですがフリーランスにとっては、月々の売り上げがダイレクトに収入に反映されます。
売上げが多くなればなるほど稼ぐことができますが、案件を受注できなければ収入がゼロになってしまうかもしれません。
フリーランスと会社員では、手取りの計算方法が異なり、所得税や消費税、個人事業税などの税金を自分で収める必要がフリーランスにはあります。
保険と社会保障の違い
フリーランスは、会社員と比べると社会保障が手薄になることが分かります。
フリーランスには、
- 医療保険
- 年金保険
- 雇用保険
- 労災保険
このような社会保障だけではなく、有給休暇や健康診断などの福利厚生は基本的にないので、いざという場合に不安があるかもしれません。
フリーランスと会社員で特に違いがある社会保障について以下で解説します。
医療保険
フリーランスの場合は「国民健康保険」、会社員であれば「健康保険」に加入し、保険の内容については差はありませんが、保険料については差が発生します。
国民健康保険には扶養という概念がないので、家族全体の収入によって保険料が決まる仕組みとなり、自分以外の家族に収入があれば、その分保険料も上がります。
健康保険は、被扶養者に対しての保険料が発生せず、会社員の社会保険料に対しても企業が半額負担してくれるため、おのずと支払う金額も少なくなります。
年金保険
フリーランスであれば「国民年金」、会社員であれば「厚生年金」に加入し、「厚生年金」は「国民年金」に上乗せ分がある保険制度のことです。
会社員では保険料は多くなるのですが、医療保険と同じように会社が半額を負担し、さらに国民年金よりも手厚い保障が受けられます。
雇用保険
雇用保険は労働者が失業した際に所得がなくなった際に、失業給付を支給し、生活の安定や再就職を促進されるような保険となります。
正社員・パート・アルバイトなどの雇用形態を問わず、「31日以上の雇用見込みがあり、1週間の所定労働時間が20時間以上」さえクリアしていれば加入義務が生じます。
フリーランスにおいては雇用されるわけではないので、雇用保険に加入することも、失業保険を受給することもできません。
労災保険
労災保険は、仕事中や通勤中のケガ、病気、死亡などに対して保障がおりる保険で、もし、仕事中に転んでケガをおったのであれば健康保険ではなく労災保険の対象となります。
労災保険の適用者は、会社員やパート、アルバイトなどが対象となり、フリーランスは原則対象外となっています。
労災保険については、保険料の全額が企業負担となるので、会社員が支払う必要はありません。
税金の違い
会社員では、副業で一定額の収入を超えるようなことがなければ、確定申告をする必要もなく、会社に税金の処理を任せることができます。
フリーランスにおいては、2月16日〜3月15日までの1ヶ月の間に自分で確定申告をし、所得税を納めないといけません。
さらに、フリーランスにおいては健康保険や住民税なども自分で収めないといけないので、うっかり忘れて支払いが怠ってしまうと大変なことになってしまいます。
仕事の進め方の違い
会社員であれば、会社から与えられた業務を粛々と遂行して行くことが一般的と言えるでしょう。
フリーランスにおいては、営業からバックオフィス業務まで、多くの作業を一人で担当しないといけません。
休日の違い
会社員では、週休二日制で土日祝が休みなど会社によってルールが決められています。
フリーランスにおいては、決まった休みやなく、稼働日や稼働時間を自分で自由に決めることができます。
残業時間という概念も基本ないので、働けば働くほど収入が増えますが、労働時間やプライベートのバランスを気をつけるなどのスケジュール管理を行わないといけません。
但し、家族いる人やイレギュラーなイベントが多い人などは、フリーランスの方が都合をつけやすいでしょう。
フリーランスのメリット
フリーランスのメリットについて紹介していきます。
働く時間や働く場所を自由に決められる
フリーランスは、働く時間や場所を自由に選べることができるので、体調が悪いと感じたら休め、満員電車に乗って通勤する必要もありません。
平日休めば、レジャー施設も人が少ない時期や時間で楽しめ、役所や病院も気楽行け、長期休暇も気軽に取得可能となります。
家賃などの固定費を下げるため、都会から地方へ拠点を移すことも気軽るでき、仕事量が少なければ、残りの時間を趣味の時間に当てるなど柔軟な働き方もできます。
働いた分だけ稼げる
会社員の給与は定額ですが、フリーランスの給与は定額ではなく、働いけば働くほどお金を稼ぐことができます。
フリーランスになって最初に驚くことは、会社員時代より収入を得られることになるかと思います。
残業代が出ないようなブラック企業であったり、高いスキルを持っているのであれば、フリーランスの方が稼げる可能性は高いと言えるでしょう。
仕事内容や仕事相手を選択可能
仕事内容や働く相手というのも自由に選ぶことができるということが、フリーランスならではのメリットになります。
自分の仕事をしていく上での、
- スキルアップにつながるか
- 高単価であるか
このようなルールに沿って仕事を選ぶことができるので、希望しない仕事はする必要がないので、モチベーションの維持もしやすくなります。
信頼や実績を高めることが楽しくなる
フリーランスは企業名でなく、自分の名前で仕事を受注していくため、企業などのブランド名には頼ることができません。
そのため、ゼロから自分への信頼と実績を重ねていく楽しさを味わっていけることが、フリーランスには存在しています。
但し、責任感やはじめたての頃は案件が簡単に取れなく不安になりがちですが、プロジェクトを成功をさせた時は会社員時代よりも達成感や充実感を味わうことができるはずです。
フリーランスのデメリット
続いては、フリーランスのデメリットについて紹介していきます。
経理や確定申告などの雑務が増える
フリーランスでは、経理や備品管理のような雑務についても当たり前ですが、一人でこなしていく必要があり、外注に関しても仲間を見つける労力も必要となります。
雑務の中で大変なことが年度末の確定申告で、種類やルールがきっちり決まっているので、しっかり調べて遂行していかないといけません。
大規模案件を受注することは簡単ではない
フリーランスは、望んだ仕事にもチャレンジすることは可能ですが、大規模案件なものにいきなり関わることは難しいと言えます。
規模の大きな仕事は小さなミスも許されないので、クライアントは慎重に相手を選ぶため、実績が浅いフリーランスは選ばれづらいです。
大規模案件を受注したいのであれば、時間をかけてコツコツと実績を積み上げていかないといけません。
収入が安定しない
会社員であれば定額の給与を得られますが、フリーランスは完全出来高制となっているので、仕事をしてない期間は収入はゼロです。
もし病気や事故をしたら、代わってお金を稼いでくれる人がいないといことを認識していないといけません。
ブロガーや月額制のサービスを運営している人であれば、アフィリエイトや月額利用料による不労所得を得られますが、それ以外の人は一大事です。
孤独感がある
フリーランスの最大の魅力である「自由で働ける」ことがありますが、逆に人と出会うことが一気に減少するため、孤独になりやすいということがあります。
フリーランス成り立ての頃は分かりにくい孤独感ですが、誰とも話すこと日が続くことで気が滅入りやすくなってしまいます。
対処法としては、仲の良い友人を作ったり、コワーキングスペースなどでフリーランス仲間を作ることがいいかもしれません。
会社員のメリット
会社員のメリットについて紹介していきます。
生活の保障がある
会社員として雇用されることで、毎月決まった額を給与として支給され、残業代やボーナス除いて同じ額が振り込まれるので安心ですます。
さらに会社員では、
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 労災保険
- 雇用保険
このような社会保険に加入できるので、仕事中のケガやリストラにあった場合でも補償が降りるので、いきなり食べられなくなるということがありません。
福利厚生制度の恩恵がある
福利厚生は、企業の従業員や家族に提供されている給与以外の援助のことで、以下の福利厚生が多くの会社には存在しています。
- 有給休暇制度
- 給与保障
- 退職金制度
- 健康診断
- 育児休暇
- 介護休暇
- 社宅/家賃補助
- 食堂 など
これら以外には、社内の部活動を支援する制度、会社の製品を割引で購入できる制度、勉強会などへの参加費用に負担される制度など、企業によってさらにプラスされている場合もあります。
フリーランスにはこのような制度はないので、福利厚生は会社員ならではのメリットとなります。
社会的な信用度
会社員としていることで、社会的な信用度が高いということもメリットになります。
この信用度は、ローンや銀行からの融資、クレジットカードの発行、フリーランスより会社員の方が審査の通過が上となります。
その理由は、会社員では毎月一定額の給与が振り込まれると分かっているからです。
仕事とプライベートの区別が分かりやすい
多くの会社には定時という概念があるので、仕事が終われば退社でき、家でまで仕事をする必要がありません。
会社と家が別の空間がはっきり分けられるため、メリハリをつけやすいというメリットが会社員にはあります。
フリーランスは働く場所の決まりがないので、家で仕事をすることもあるため、プライベートと仕事の境界線が曖昧になりがちになります。
会社員のデメリット
会社員のデメリットについて紹介していきます。
毎日の通勤が必須の可能性が高い
最近ではリモートワークを認める会社も中にはありますが、多くの人が通勤を必要とし、特に都心の企業の場合には「満員電車」に揺られるはずです。
さらに郊外に住んでいる人であれば、満員電車&通勤時間の長さ必要になってくるため、パフォーマンスの低下やプライベートの時間が削られがちとなります。
仕事における選択権が少ない
会社員では仕事内容は当然のことで、取引先や手段においても務めている企業から指示を出されることが一般的で、会社にとってのメリットが最優先となります。
希望の部署に配属されない可能性や、多くの人間関係や仕事内容によっては、望んでいたような人生を歩めない可能性もあります。
やりたいことが明確な人や、自分で様々な事柄を考えることが好きな人にとっては、会社員で働くということはデメリットとなります。
人間関係が難しい
自分にとって最高の仕事内容や給料が良かったとしても、人間関係が破綻してしまうと全く楽しものではありません。
会社員は個人プレイではなく、チームとして仕事を進めていくことが一般的となるので、最悪な上司や自分勝手な部下とチームを組まざるをえないこともあります。
人を選んで仕事を進めていかないといけない、現状が付きまとうのも会社員のデメリットになります。
給料の上限が分かりやすい
多くの会社員の給料は、固定給となっているので、月々の給料を増やすには残業して上乗せすることしかありません。
年功序列が絶対のような企業であれば、どんなに使えないと感じる上司であっても、自分より高い給料を貰っているということです。
働いた分だけ報酬が感じるとい人であれば、会社員よりもフリーランスが向いているでしょう。
会社員からフリーランスになる前にすること
会社員かたフリーランスになる前にしておいたほうがいいことを紹介します。
クレジットカード申請・不動産契約・ローン契約
- クレジットカード申請
- 不動産契約
- ローン契約
これら3点は、会社員のうちにしておくことをオススメしています。
この理由は単純なことで、会社員の方が収入が安定している人、社会的に信用のある人と分かりやすいので審査が通りやすいです。
上記の申請や契約は会社員のうちに済ませておきましょう。
国民健康保険・国民年金への加入
会社員であれば、健康保険や厚生年金に加入しているのですが、フリーランスになるには国民健康保険や国民年金への切り替えをしなければいけません。
加入に必要な書類も以下のように複数あるので、前もって準備しておきましょう。
- 離職票/健康保険資格喪失証明書
- 退職証明書
- 国民健康保険被保険者資格取得届
- 年金手帳
- 国民年金被保険者資格取得届 など
開業届の提出
開業届に関しては任意になりますが、フリーランスが開業届を提出すると以下のようなメリットがあります。
- 青色申告ができる
- 屋号で銀行口座を開設できる
- 請求書に屋号を記載できる
- 赤字の繰り越しができる
フリーランスとして活動していく中で、メリットに必ずなっていくので、開業届を提出することをオススメします。
フリーランスになる前に知っておくこと
フリーランスになる前は、どうしてもメリットの面が頭いっぱいになりガチですが、実際には独立のメリットとデメリットは紙一重であることを認識しておかないといけません。
稼いだ分の収入があるということは、稼いでいないのであれば収入はゼロになり、仕事を適当にしているのであれば、アナタの評判は地に落ちオファーもなくなるかもしれません。
フリーランスだけではありませんが、仕事をしていく上で「誠実にコツコツと取り組む姿勢」を忘れてはいけないということです。
まずは副業から始める
いきなりフリーランスとして独立するのではなく、本業を持ちつつ、副業として取り組むことで、どのくらい稼げるのか気持ち良く働けているかが理解できます。
フリーランスの仕事探しの最初として、クラウドソーシングサービスのクラウドワークスで案件を探すことができます。

まとめ
フリーランスと会社員の違いを様々な角度から紹介していきました。
フリーランスや会社員のメリットやデメリット双方をしっかりと確認し、ご自身に合うという選択をしましょう。
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